ウォーキングが心身にもたらす効果

古代ギリシャの医学の父、ヒポクラテスは「歩くことに勝る良薬はなし」という言葉を残しました 。

この言葉は、単なる格言ではありません。国土交通省の資料によると、「歩く」という最も自然な行為が、私たちの心身の健康だけでなく、社会全体にも計り知れないメリットをもたらすことが、多くの科学的な裏付けをもって示されています。

今回は、この資料に基づき、ウォーキングがもたらす驚きの効能をご紹介します。

1. 身体と心を整える「最高の薬」としての効能
ウォーキングは、特別な道具も場所も必要としない全身運動ですが、その効果は多岐にわたります。

① 生活習慣病の予防・改善
肥満、高血圧、糖尿病などのメタボリック・シンドロームの予防と改善に効果的です 。

体脂肪を減らし、代謝を活性化します 。

インスリンの働きを良くし、高血糖を防ぎます 。

悪玉LDLコレステロールを減らし、善玉HDLコレステロールを増やす効果(玉追放効果)もあります 。

② 心肺・血管の強化と骨太効果
心肺機能が向上し、血管が強化されることで、心臓病などの虚血性心疾患を防ぐ効果が期待されます 。

歩行によって骨が活性化され、丈夫になることで、骨粗しょう症や、それに伴う寝たきりを防ぎます 。

③ 脳の活性化とメンタルヘルス
ウォーキングは、脳の血行を良くし、脳血管性認知症のリスクを7割以上も低下させるという研究結果があります 。

ストレスや不安感、「うつ」を和らげるリラックス効果があります 。

生体リズムや自律神経のバランスを整え、快眠を促し、肩こりなどの体の不調も和らげます 。

2. 医療費の削減と地域社会への貢献
ウォーキングのメリットは、個人の健康に留まりません。

① 医療費の削減効果
ある日本の研究(大崎コホート研究)では、1日あたりの歩行時間が長い人ほど、総医療費が低くなるという結果が示されています 。特に、1時間以上歩く人は、30分未満の人に比べて、入院や外来診療の医療費が低い傾向にありました 。

歩行習慣は、個人の医療費だけでなく、社会全体の医療費負担の軽減に貢献する、経済的なメリットもあるのです。

② 防犯・地域コミュニケーションの熟成
地域住民による**自主的なパトロール活動(歩行)**は、犯罪の抑止だけでなく、地域の再形成にも繋がります 。

住民の縄張り意識(領域性)や当事者意識(監視性)を高め、コミュニティの団結を強める効果があります 。これは有名な「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」の考え方にも通じるものです 。

歩くことは、公的な場に出ることであり、人との接触機会が増えるため、社会、地域とのコミュニケーション機会の増大という効果も謳われています 。

③ 子どもを育む「歩育」
日本ウオーキング協会では、「食育」と並ぶ柱として**「歩育(ほいく)」**運動を展開しています 。子どもの頃から歩く活動を行うことは、大脳や身体機能の健全な発達に寄与し、持久力や粘り強い心身を養うとしています 。

まとめ:今日からできる一歩
「歩く」ことは、誰でも、いつでも、費用をかけずにできる、最も手軽で効果的な健康法であり、地域社会の活性化にも繋がる行為です。

忙しい毎日の中でも、エレベーターではなく階段を使う、一駅手前で降りてみる、意識して少し早足で歩くなど、**「最高の良薬」**であるウォーキングを、今日から生活に取り入れてみませんか?

この記事を書いたのは
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